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朝霧カフカ『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』

  • 執筆者の写真: ゆずは 鳥乃
    ゆずは 鳥乃
  • 1月4日
  • 読了時間: 3分

※この記事には作品のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。



今回読んだのは『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』(角川文庫)です。


文豪ストレイドッグスは、原作コミックは未読なのですが、アニメと劇場版はすべて見させていただいてます。実在する文豪たちをモチーフにしたキャラクターたちが、その著作にまつわる異能力を持っているという世界観。読んだことのある作家・作品もあれば、正直読んだことないです、というものもあります。

今回読んだ外伝は、今まさに活躍中の現役作家の三名が主役。綾辻行人、京極夏彦、辻村深月です。先に言っておきますと、私はお三方ともあまり読んだことがありません(本当にすみません)。綾辻行人先生は『殺人鬼』、京極夏彦先生は「ルー=ガルー」シリーズを読んだことがあります。辻村美月先生は学生の頃に図書館で借りていくつか作品を読んだことがあります。ですがどれも異能力の元ネタにあたる作品ではないので、その辺のネタは全然拾えていません。綾辻先生の『Another』は前から興味があるのですが、『殺人鬼』がけっこうグロテスクな感じだったので少し躊躇してます……。


さて、外伝を読んだ感想ですが、とても面白かったです。文体は一人称視点で語られてさらさら読みやすく、内容はしっかり謎解きミステリーに仕上がっていて、ページをめくるのが楽しかったです。

この記事を書くにあたって、各先生の作品で読んだことあるのどれかな~って調べたのですが、文ストの京極夏彦と、実際の京極先生のビジュアルがかなり一致していて目を疑いました。現実の京極先生自身が、本の中の登場人物みたいな人だ……。

安吾や中也など、本編の知ってるキャラクターたちも登場してくれて、そこも楽しみポイントの一つでした。

ご存命の大御所作家を登場させているだけあり、三名ともにとても敬意を持って書かれていることが伝わってきて、だからこそ余計なことは気にせずに安心してキャラクターの活躍を楽しむことができたように思います。京極夏彦のラスボス感、絶対に勝てない感は実にキャラ立ちしていて惹きつけられたし、綾辻行人は癖があるけど付いていきたくなるようなカッコよさがありました。辻村美月は最後がね!素晴らしいリスペクトを感じました。そんなのみんな好きでしょ。


私自身が今まで漫画を読んでこなかった人間なので、これからも原作コミックを読むことがあるかはわからないのですが、小説版は読みたいなと思っています。今のところ「55Minutes」までは読んでるので、その先の小説も買いたいですね。

私は織田作が好きなので「太宰を拾った日」は必読な気がしてます。アニメ版「黒の時代」編の放送当時はあまりのショックに頭の中が完全に織田作に支配されていました……。たった4話であんなに心を鷲掴みにされることある……?


この本自体はけっこう前に買っていたのですが、部屋の掃除をしていて「そういえばまだ読んでないな?」と気が付いて、2025年最初の読書に選びました。今年もたくさん小説を読んでいきたいと思います。

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