宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー 上』
- ゆずは 鳥乃

- 2024年12月16日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年12月29日
※この記事には作品のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
今回読んだのは宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー 上』(角川文庫)です。
私が子どもの頃、テレビで放送されていた映画『ブレイブ・ストーリー』を見たような記憶があります。
ストーリーはあまり覚えていないのですが、子どものときの自分は、この映画を面白いとは思っていなかった。たしか主人公の子どもが異世界を冒険して、ライバルみたいなカッコいい子と戦って、最後は現実に戻ってくるけど現実は何も変わらなくて……みたいな話だったと思う(この記憶が正しいかは下巻まで読んでみないとわかりません)。子どもが見るには少し難しい内容だったのかもしれません。
だけど主題歌がすごく気に入ったのだけはよく覚えています。Aqua Timezの『決意の朝に』です。これがとにかくお気に入りで、学校で制作したオルゴールの曲もこれを選びました。そのオルゴールはいまだに私の作業机の上に置いてあるのです。
とまあ、そんな経緯で、ストーリーはあまり覚えていないけれど、こんな映画を見たことがあって主題歌が素敵だった、という思い出がずっと私の中にありました。
そんな折、『ブレイブ・ストーリー』の原作小説が電子書籍のセール対象になっているのを見つけました。これは一度読んでみて、子どもの自分が上手く楽しめなかった作品の名誉を取り戻さなければ、ということで購入。
そしてまず上巻を読んでみると、内容がまあ重い重い。小学生が主人公の作品でここまで現実の厳しさを突きつけていくとは……。映画でもこの、大人でも顔をしかめたくなるような辛い現実のパートを誤魔化さずに描いていたなら、子ども時代の私があんまり面白くないと感じたのも納得です。
だけどまったく愉快じゃない、直視したくない現実があるからこそ、上巻の終盤でその運命を変えたいと思った主人公の冒険が始まるのです。でも老師の言う通り、ちょっと覚悟が足りないような……?
とにもかくにも、いよいよここからがファンタジー本番!というわけで中編に期待です。
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